木曜日の発表の感想(前)

前です。

木曜日の発表、お疲れ様でした。
各自、議論の中で、よく考え、よく出来ていると思いました。
以下に簡単なコメントを記述するので、参考にしてください。


福本君
<よいと感じたところ>
窓の熱的な側面に注目したのはよかったです。
前回までの金沢21世紀やKAIの話が整理されている。
自分も、昔の建築と今の建築で、素材的にもっとも違うのはガラスだと思っています。

<今後に期待>
窓の使い方について、もっと整理する必要があるでしょう。
ガラスや枠の種類もたくさんあるし、使っている例も多いでしょう。
まず徹底的にリサーチが必要でしょう。


菱田君
<よいと感じたところ>
車の省エネ化が進む中で減少する傾向にあるガススタンドに注目したのは、
なかなかよいと思います。

<今後に期待>
前半の、素材の話にガススタンドの改修がどのように結びつくか?
ガススタンドは地域にたくさんあるので、この現状のネットワークを
何か有効に使うプログラムが設定できるかが非常に重要でしょう。

ガススタンドが地域にどのようにレイアウトされているか、
また個々のガススタンドにはどのような個性があるのか等、
より調べることで、何に使えそうか見えてくるかもしれません。


川島君
<よいと感じたところ>
話を聞いて、この高架下を選んだのか、なぜ工房なのかが
若干見えてきました。

<今後に期待>
周辺は小さなな工場が集まっているということでしたが、
やはり、地域的にどのようなプログラムが役にたちそうか、
総合的に提案する必要があるでしょう。
工房を利用する人たちへ何を提供できるのか、
より具体的・複合的に提案できるかで説得力が決定されそうに感じます。


Breaking the "逆行"ですが、これは環境の悪さをブレイクするというより
(ここは他の高架下よりマシな環境らしい)
こうした地域を覆う逆境をブレイクさせるのに必要な施設になるのでしょうか?


木村君
<よいと感じたところ>
水の上にレイアウトした図から、イメージが見えてきました。
話したとおり、水に使っている木の部分が腐朽することも受け止める
立替を内蔵したプログラムとして、
それでもなおコンクリートで川底を固めるよりCO2が少ないというなら
ブレイクとして有効に機能するかもしれません。

<今後に期待>
水の上の舞台で、何ができるのかのプログラムが必要です。
川の周辺の環境や状況を整理して、護岸に固められた河川側の改修も含めて、
説得力のあるプログラムを提案できるかにかかっています。
季節ごとに、変化できるものを提案することになるのかもしれません。


古地さん
<よいと感じたところ>
アシタノイエと民家園の印象から、
吹き抜けに着目しているのはよいと思います。
bb邸の印象も加味して考えてもらえるとよいでしょう。
(ENEOSを見てもまた感じることがあるでしょう。)

<今後に期待>
ブレイクの対象を明確に設置しない路線なのかもしれませんが、
話すと違和感を感じている部分があるようなので、
そこを顕在化して、テーマを絞る必要があるでしょう。
人と生活に意識があるようなので、それを中心に設定すると
他の人と違う方向性を示せるかもしれません。


小崎さん
<よいと感じたところ>
緑に着目して、「工業化」のキーワードに着目したのはよいと思います。

<今後に期待>
緑の現状の扱いについて、間違った設置で枯れてしまった例など、
なぜ緑が死んでしまったのか等をより理解していけば、
どうすれば緑をより生き生きと活かすことができるかもしれません。

平賀さんがこの点のご専門なので、
お伺いしてみるとよいのではないでしょうか。


増田君
<よいと感じたところ>
デパートという、商業建築として外界を全く遮断してしまった
人工空間である建築に注目しているのはよいと思います。
<今後に期待>
デパートの実際について、どれだけステレオタイプなイメージを超えて、
現状と課題を抽出できるかが大事でしょう。

均質に操作された空間は長い実績があり、また需要があるわけですから、
それらを超えた空間とそれを環境的に実現する技術に関し
説得力のある提案ができるかどうかが鍵と思います。


荻野君
<よいと感じたところ>
木に着目する一方で、緑のレイアウトによってはマイナスになるのではと
いう意識はきっかけとしてよいでしょう。

<今後に期待>
ブレイクを狙わないのなら狙わないでも結構ですが、
これでは典型的な「環境建築」になるリスクがあります。
もっともっと、木と土について調べ、
実際に見聞きして感じる必要があるでしょう。
深沢共生住宅等で感じたことから、
もっとリアルなイメージを膨らませる必要がありそうです。


パニダさん
<よいと感じたところ>
水のネットワークに注目しているのはよいでしょう。
<今後に期待>
現在の河川はあくまで人工的に操作されたものです。
都心の中で、水と人間がどう接するかが鍵でしょう。
ただし、川は氾濫も起こすわけで、
最近では大雨の際にアスファルトに固められた地面から川に雨水が
大量に流れ込む、都市型水害が起きていたりします。

単純に水と親しむ親水施設を作っても、ありきたりの提案になってしまいます。
テーマが決まったのなら、既存の親水施設を見に行ってみてください。


芹川さん

<よいと感じたところ>
給湯に注目して、太陽熱を考えているのはよいと思います。
一番の勘所は、太陽熱は設備的なので、建築との融合をどのように魅力的に伝えるかが重要でしょう。

<今後に期待>
給水所を選択した理由が分かるとなお良し。
給水所と周辺地域との関係は?
給水所の環境リフォームにより、より多角的に地域に貢献できないか?
太陽熱の集め方をどうするか? 暖房への利用は?
太陽熱が過剰になる夏はどうするか? サンシャイン計画時のように太陽熱暖房をするのか?


渋田君
<よいと感じたところ>
本屋について的確に分析を行っており、レベルが高いと思います。
生き残る本屋の一つとしてメガ本屋をターゲットにしているのも、
現状の社会分析がよく出来ています。

<今後に期待>
メガ本屋にターゲットを絞れてきているので、
実際のメガ本屋をいろいろリサーチすると、ブレイクすべき対象が
見えてくるでしょう。