bb邸の照明

bb邸は、一生懸命に作ってある感が十分にあり、
また施工が非常に丁寧で、この難しい設計を非常に活かすように作られています。
当初の予想よりも遥かによく見え、好印象をもちました。
関係各位がよくがんばられたと思います。


ただ、とりあえず一つだけいっておかないわけにはいきません。
bb邸では、照明に白熱灯をメインで採用しています。


建築家の人は必ず白熱灯を使いたがりますが、環境的にはありえません。
蛍光灯の5分の1の効率で、発熱は全て冷房負荷を増やします。

よく、北欧では使っているとか言いますが、あれは寒くて暖房負荷だけの国で、
かつ電力のほとんどを水力で賄っている国だから許されるのです。

ここは日本です。
白熱灯が10個以上あるとのことですが、60Wをいくつも付けたら、
消費電力としては他の家電の合計より大きくなってしまうでしょう。
夏はすべて部屋を暑くするのに使われるわけで、ありえません。


また、一番よくないのが、ダイニングでは目の高さに白熱灯がきています。
確実に、目に負担をかけます。
電球のガラスが透明度が高いタイプなので、余計危険です。



点光源であるため、距離の二乗で明るさが減衰するため、
明るさのムラが非常に大きくなります。
本を読むためには、照度は500lxはほしいでしょう。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~saisen/mame/17-6_kakudai.htm

電球の直近では800lx以上とさすがに十分です。

少し離れると500lx以下に大きく低下します。

テーブルの上では300lxとやや照度不足です。
昼間でこうですから、夜には確実に照度不足です。

透明感の高い白熱灯を使い
輝度の高い点光源にするのが設計コンセプトとのことですが、
一体何のためのコンセプトなのか理解できません。

熱環境の改善と省エネ措置にこれだけこだわり、
住民の人に優しくしようとしているのに、ここだけは非常に残念でした。