川島さんのメールについて


川島様のメールが回ったかと思います。学生の人たちに理解しておいてほしいことをお伝えします。

まず、今回のスタジオには、多くの方々に参加をお願いしているということです。

講師の方々ごとに、異なったスタンスで建築に向かわれているわけで、
ある意味、社会の縮図と言えると思います。

他のスタジオについては、おそらくトップの先生の考えで方向性や課題・やるべき事が
決定されていると思いますが、このスタジオは、こうした議論を大事にしています。


そのため、学生の皆さんには、こうした背景を理解しつつ、マクロ的に考えてほしいと思います。

・スタジオ課題の中で、まず手を動かす話(直近の課題)
・スタジオ課題の中で、中間までに検討しておくべきところ(1ヵ月後くらいの話)
・スタジオ課題の中で、最終的に完成させること(2ヵ月後)

・大学・大学院卒業までに行うこと(1〜3年後)
・社会に出てしばらくの間、考えること(数年後)
・しばらくして、自分のスタンスを確立していく
・人生をかけて行うこと(終わりまで)


今回の議論は、これらの多くが並行して行われています。
それらはそれぞれが非常に貴重で、皆さんの今後にも非常に有益な話ですから、
よく聞いて、考えてほしいと思います。


一方で、直近で手を動かすということが求められていますから、そのためにはある程度のテーマの
絞込みも行わないわけには行きません。
バランスをどのようにとっていくかは、人生を通しても容易には得られない話です。
短期決戦において、重点・フォーカスは不可欠です。
今回は、環境に重点があるわけですから、それをどれだけ生かすかということです。


ブレイク・ブレイクと馬鹿じゃないかと思うかもしれませんが、
これは直近の課題の明確化と、全員がある程度の共通なベースで議論するべきと考えるからです。

他のスタジオの課題は、敷地やテーマ・建物用途がかなり絞られており、とりあえず手を動かすことが
容易なように配慮されていると感じています。


こちらのスタジオも、テーマそのものは負けていないと思いますが、
高度で広範な話を内包しており、短期決戦には必ずも有利なテーマではありません。

皆さんが、マクロな視点を常に持ち続け、咀嚼してくれることを期待します。
(実際の人生においても不可欠なことです。)