昨日のエスキースについて(全員分追記)

前です。(全員分、追記しました。遅くなってすいません。)

木曜日のエスキースお疲れ様でした。
いくつか、感想を書かせていただきます。

ともかくこのスタジオは、リアルな実社会の縮図です。
講師の方々・自分もいろいろな意見をお伝えしていると思います。
各自が自覚を持ってうまく咀嚼していかなければならないので、
ハードルが高いでしょう。他のスタジオ課題の方が楽かもしれません。


ですが実際の社会に出れば、いろいろな情報や意見の洪水に
自分の頭で考えて、立ち向かっていかなければなりません。
そうした大きなトレーニングだと思って取り組んでもらえれば幸いです。


木村君

<よいところ>
建物がイメージしやすい段階になっているので、
手が動きやすいと思います。
建物側は形になってきているので、あとはプログラムでしょう。
<今後に期待>
比較的、素直によさげな建物(特に夏には)になりそうなので、
不利な状況をあえて想定して(冬?)、その時でも十分によいことが不可欠です。
プログラム上でも季節ごとに柔軟に対応する必要があるでしょう。
あと、パーツはできるだけ少なめにして、そこからどれだけ多くのパターンを
創造できるかもポイントでしょう。



野村君

<よいところ>
不利な敷地に注目したのはよいと思います。
これを、現状の斜線規定などではなく、風を通せるルールを作るというのは
よいと思います。
本来、法律というものは、よい社会・環境を作るためのものですが
実際には運用の都合から制約を受けているものなので。
<今後に期待>
数十年をかけて少しずつ変わっていくということも重要です。
あと、全部の家が建て変わらなくても、1住戸だけが変わるだけで
街区全体に好影響があるというパターンもありかもしれません。
ただ、風を利用した建築は多いので、一見うまくいきそうでいっていない
ターゲット建築を設定できるとよいでしょう。



芹川さん


<よいところ>
給水塔という具体的建物を見つけられたので、イメージしやすくなっています。
<今後に期待>
給水塔は造形的に面白いので、あまり外に追加するのは注意深い方がよいでしょう。
あと、建物種類は集合住宅やギャラリーでよいのでしょうか。
周辺の状況を考えて、説得力のあるプログラムができないものでしょうか。
あと、本来は給水塔ですから、水に関係した話の方が継続性があって面白いかもしれません。



渋田君

<よいところ>
本屋の構成をよく分析できています。
照度が非常に高いのは驚きです。
普通の住宅では照度は非常に低いで、照明に非常に多くのエネルギーを使っていると
予想されます(その分内部発熱が増えて、冷房も多く使う)。
<今後に期待>
もう設定・調査は十分できているので、後は手を動かしていけばよいでしょう。
本屋は思ったより工夫のし甲斐がありそうです。



パニダさん

<よいところ>
母国のタイに注目しているのは、他の人と違う特徴で面白いと思います。
タイと日本で重視される点を整理しているのも良いです。
<今後に期待>
敷地をフィックスするのは最重要です。
タイの伝統建築と現在の建築について、もう少し掘り下げた検討が必要でしょう。
タイの気象について、月レベルでは分析できていますが、1日の中ではどうでしょうか。
一般的なパッシブ技術は、昼と夜の温度差を蓄熱等で利用することが重要ですが、
1日の温度変化が小さいと機能しません。タイではどうでしょうか。
湿気が多いと、夜間放射も効果が落ちます。(砂漠では非常に有効ですが)
どの環境技術が使えそうか、よく考えてみてください。


小崎さん

<よいところ>
緑化を真面目に考えています。
<今後に期待>
やや、イデオロギーレベルで悩んでいるようです。
いっそ、具体的な「緑化建築」をターゲットに設定してしまってはどうでしょうか。
あと、緑化の効果は、「外」と「内」とで異なります。
周辺環境の改善等は「外」、建物内部の熱負荷低減などは「内」です。
両方を考えていくのでしょうが、どちらを重視するかで、違うでしょう。
ただ、緑で照り返しを防いだり、窓を通して見る室内環境改善効果など、
「内」「外」で相乗効果が得られる場合もあるかもしれません。


増田君

<よいところ>
定常者と非定常者とで、いろいろと環境が違うであろうことを
深く考えているのはよいと思います。
<今後に期待>
やはり、イデオロギーで悩んでいるようなので、ターゲットを設定した方がよいと思います。
本当の環境建築は、単に「熱負荷が少ない」「消費エネルギーが少ない」ではないはずです。
環境を考えることで、建築がもっと魅力的にならなければなりません。
デパートに目標をセットしてよいでしょう。ただ、デパートという形態がすでに古い。
「買い物を楽しむ」という目的のために、新たなプログラムを組み直すべきなのでしょう。

(ちなみに、デパートの売り上げの相当部分は法人向けのため、
 店に会に来るお客さんが必ずしも重要ではなかった面もあります。
 バブルのときはこの傾向が特に顕著でした。。。)


菱田君

<よいところ>
ガススタンドを丁寧にリサーチしたのはよいですね。
ガススタンドは、本来は米屋・プロパンガス屋と並んで、
地元の名士が経営しているものでした。
現在では、非常に経営が難しくなっています。。
http://blogs.yahoo.co.jp/pma100percent/54740300.html
今の時代の流れを的確に読むことです。
<今後に期待>
まず、ファイルサイズを適正にすること(笑)
1枚で300Mを超えるファイルを見たのは人生で初めてです。
複数のスタンドを連係させることが難しそうなので、
まずは1箇所のスタンドに集中した方がよいでしょう。
災害時の緊急ステーションなどはすぐに思いつきますが、
社会の密度が低下していく中で、街の構造も変化していくはずです。
その時に、どんな役割が求められるのか、興味があります。


古地さん

<よいところ>
自分の家のことを丁寧に分析しているので、生活中心で行きましょう。
<今後に期待>
実際のターゲット建築の設定をお奨めします。
アシタノイエにも行き、ENEOS創エネハウスにも体験居住したわけですから、
「環境建築」へのイメージが出来ていたのではないでしょうか。
まずは、徹底的にマネすることをお奨めします。


川島君

<よいところ>
敷地がすでに決定できているので、手を動かしやすいはずです。
高速道路の高架下はオリンピック時に突貫で作っているので
環境面は何も考えていないはずです。
<今後に期待>
歴史に対する調査は重要です。
あと、平面的に周辺とどのようなインタラクションがありうるのか、
非常に重要です。この敷地でプログラムをうまく設定できるかどうかが鍵でしょう。


福本君

<よいところ>
窓に絞って検討できているのは具体的でよいでしょう。
本当は照明のシミュレーションが出来るとよいのですが。。
http://arch.xtr.jp/radiance/link.htm

<今後に期待>
どうも「ガラス窓」のイメージにとらわれているようですが、
窓の機能を「透視」「透光」「遮熱」「集熱」「通風」「プライバシー保護」などに分解し、
それぞれを満たすものを考えてはどうでしょうか。

今の時代、光を通す断熱材やコンクリートもあります。

http://www.hri.pref.hokkaido.jp/pdf/18nenpou/12.pdf
http://www.nisikata.co.jp/n2002/sink/013/sink013.html
http://tftf-sawaki.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/post_5f43.html

※5/3に画像資料を追加しました。