28日のエスキス

高瀬です。昨日のエスキスについて概略とコメントです。
TAへの相談形式ということで資料は自由としていたため、文字情報のみですがご参考まで。

一人ずつの文章を書きながら、どの辺にブレイクする点があるかを意識しながら各自が案をまとめていく必要があると改めて思いました。
ここについては、毎回見失わないように議論すべき点だと思います。

>受講者のみなさま
以下について補足や意見、相談などあれば投稿ください。


[野村くん]

前回の敷地調査発表をした上で、密集住宅地を敷地に選ぶ方針。現状ある法規・決まりごとから考えると、どうやっても通風は不利な敷地となっている。根本的な建て方のルールを決める必要がある。去年の松本案の住宅地バージョン?道路沿いだけでなく、街区の内部といった不利な土地の資産価値を高めることもできる。
ルールとしては戸建住宅の集合のさせ方を考えたうえで、一軒のみにしぼって設計するということでよいのでは。
魅力的な集合のさせ方のルール作りがポイント。


[芹川さん]

駒沢給水所を住宅にコンバージョン。給水所としての機能を残す。構造的には壁に手を付けづらそうなので、屋根面を考え抜くことが大事では。屋根面での太陽熱利用からどれだけ発展できるか次第で可能性がある。先週・今週の資料からは、周辺敷地のコンテクストなどがわからないので、まとめる必要あり。(それしだいでは住宅というのは適切ではないかも?)
施設の図面がほしい。


[川島くん]

「高架下建築」のあり方について分類した調査。
①下を商店で埋める
②上下を緑化する
③高架を取り去る
といった手法がとられているとのこと。

高架の高速道路において、地上面との唯一の接点である料金所に着目。料金所・高架っぽさ・敷地の地域性を持ったプログラムである「工房」について、それぞれ真面目に考えることが大事。
プログラムだけでなく、環境的にもそれらが相互作用しあうことを狙う。
形状による風や日射の取り込み方の工夫だけでなく、それぞれのプログラムにとって必要な素材(鉄やコンクリートなど)についても目を向けてみるとよさそう。
(高瀬)

もう用途&敷地自体は見えてきているので、今後は高架の熱取得利用、道路上の風の利用などのエネルギー利用、またプログラムに必要な環境条件など、何かひとつ具体的な環境的テーマを取り上げて、それにかかる形態・熱などの条件を仮定してみるところから先の展開が見えてきそう。
(寺澤)

[古地さん]

設計/検証のフィードバックがテーマ。
現状の実家を分析してみて、過去に遡って新築の設計を行う「タイムマシーン的設計」。いままでは部屋の温度のみを測定していたが、照度や内外壁の表面温度、色、素材、仕様、開口率といった情報をまとめてみるといいのでは。ロの字プランなので、内部展開図などもあるといい。また、自分の家族という明確な施主があるので、平日/休日・昼/夜の個人個人の在室時間も知りたい。

これらの検討は他の建築家でもあたりまえに考えることかもしれないけど、徹底的に検証を重ねるという行為で、魅力的な設計になるのでは。


[パニダさん]

前回の発表から一転して、タイの住宅をテーマに。エネルギー消費が多いのは交通と照明・エアコンとのこと(どこかに資料があるはず)。日本と違い、タイの住宅では冷房負荷が大きい。また、現在の戸建住宅ではRC造が多いとのこと。太陽光については日焼けを嫌うため、遮蔽がメインになる。タイの市民が住宅についてどのような感想・あこがれを持っているかを調査した資料があった(20年前くらいので、多少古いかもしれませんが。)。タイの「バンコク」という日本とは違った敷地のコンテクストをうまく説明する必要あり。


[福本くん]

窓についての調査。さらなる体系化が必要。プログラムは住宅としているので、実在する住宅の窓に絞った調査でいいのでは?
使われている部位・形や大きさ・色やテクスチャー・開き方・ブラインドやカーテンなどの付加要素・熱性能・遮音性能・・・といった項目をとにかく挙げてみては。


[菱田くん]

大学近くのガソリンスタンドについてフィールドワーク。大通りに接道していて、Y字路などの角地に多く存在する。東京のガソリンスタンドの分布と地形を重ね合わせて、山の手のガソリンスタンドと下町低地のガソリンスタンドの違いについて着目したいとのこと。下町方面はまだ調査中とのことで木曜に期待。
(高瀬)
「減少しつつあるガソリンスタンド」に着目した、という時点でまず強みがある。
「ガソリンスタンドはかならず街区の角地に当たる」というような発見から、街区全体に対して単に社会的な意義だけではない環境的な敷地特性が抽出できればかなり面白くなりそう。
(寺澤)

[木村くん]

「木造軸組」にテーマを絞る。モジュール化した部材による可変性を持った建築。夏と冬で装いが異なる。作り方と部材の組み合わせが作り出す性能について着目。

木の厚さや断熱性能、蓄熱性について考察してみては?木の種類による違いなども調べると面白いかもしれない。紙やセルロースファイバーなども広義の木といってしまっていいかもしれない。
(高瀬)

建築の可変性を仮定する上で、「可変によって何が良くなるのか」を考えることは決定的に重要。
あるモジュールを設定したときに、形態上のどういった可変性がありうるのか、それによって得られる効果は、等をトライアル&エラーでスタディーする過程が重要になると思います。
ゆくゆくはシミュレーションによるスタディーになるかもしれませんが、前段階としてまずは
形態の可能性をできるかぎり想定しておくことで先に進みやすくなるかも。
(寺澤)

[増田くん]
前回に引き続き、「デパート」と「非定常空間」をテーマに、主にデパートについてのリサーチ。
リサーチする中で、商業形態としてのデパートの必要性、変容するニーズへの対応などビジネスモデルとしてのデパートに対する色々な疑問が出てきたとのこと。
話し合いの中で、「デパート」という商業形態にこだわるよりは、一度最初の問題提起「定常性と非定常性」に立ち返ってみて、商業空間における性質の異なる主体(たとえば客⇔従業員 来訪者⇔定住者 .etc.)間の関係性について考えることに。
まずは敷地・規模・用途等のリアリティーを詰めていくことで今後の展開が見えてくるかも。